西洋占星術とフィトセラピーの関係 〜古代から続く自然の知恵〜

フィトアストロジーとは

西洋占星術とフィトセラピーの関係とは?

「占星術って、単なる占いじゃないの?」そう思っている方も多いかもしれません。ですが、占星術は古代の人々が自然界や宇宙と向き合う中で培ってきた、奥深い知恵の体系です。特に、植物の力を借りるフィトセラピー(植物療法)との間には、驚くほど深い関係性があります。

今回の記事では、西洋占星術とフィトセラピーがなぜ結びついているのか、その歴史を紐解きながら、現代にも通じるその知恵についてご紹介していきます。

西洋占星術は「観測と経験の蓄積」

現代の科学的な「統計学」とは異なりますが、西洋占星術は古代の人々が何千年にもわたって星の動きと、地球上で起きた出来事を観察し、記録したことに基づいています。これは、膨大な数の出来事を記録し、「この星の配置の時にこのような出来事が起こる傾向がある」という経験的なパターンを見出す、「観測と経験の蓄積」によって形作られてきました。

占星術の考え方は、「良いことは当てにいく、悪いことは外しにいく」というものです。良い星の配置にあるからといって何も行動しなければ、何も変わりません。積極的に行動することで、その良い流れを掴みにいくのです。逆に、悪いことが起こりそうな時期だと知っていれば、用心して行動を変えることで、災いを避けることができます。占星術は、ただ未来を予測するものではなく、自分の意志で未来を切り開くためのツールなのです。

なぜ西洋占星術とフィトセラピー?

古代の人々は、人や植物も天体の影響を受けていると考えていました。特に、太陽や月の影響はわかりやすい例です。太陽の光を浴びて植物が育ち、月の満ち欠けが潮の満ち引きに影響するように、天体と植物は密接に関わっています。

この思想から生まれたのが「医療占星術」です。これは、古代ギリシャ・ローマ時代から中世ヨーロッパにかけて発展し、人々の心身のバランスを整えるために利用されていました。各天体は特定の性質や象徴を持つと考えられており、その性質に対応するハーブがある、とされていました。

この考えに基づき、植物の採取時期も重要視されました。惑星や月の影響で植物の効力が強まると信じ、その時期に合わせて採取していたのです。これは科学的な成分分析の結果ではなく、古代の人々の信仰や経験則から生まれた知恵でした。例えば、1日24時間を7つの天体と結びつけ、特定の天体の力が強く働くと考えられる時間帯にハーブを採取していました。

医療の場から占星術が消えた理由

医療占星術は中世の頃まで広く使われていましたが、その後、徐々に医療の主流から外れていきます。その背景にはいくつかの理由があります。

  • 宗教との対立: 中世のカトリック教会は、占星術の全てを禁止したわけではありませんでしたが、「人間の自由意志を否定するような運命論的な占星術」に対しては批判的でした。
  • 魔女狩りとの関連: 当時の魔女狩りは様々な人々を対象としていましたが、一部でハーブや自然の知識を持つ女性が標的になった例もあります。その結果、人々の間で占星術や自然療法に対する不信感が高まる一因となりました。
  • 科学の発展: 科学的な根拠を重視する近代医学が発展するにつれて、経験則に基づいた占星術は次第に医療の場から姿を消していきました。

この流れの中で、占星術の技術を伝える人も減り、一部ではその信憑性が疑われるようになりました。

現代に受け継がれる星と植物の知恵

中世の文献には、植物と星のつながりに関する記録が残されており、この古代からの知恵は現代にも引き継がれています。ただし、当時は精油(エッセンシャルオイル)という形態は一般的ではなく、ハーブの浸剤や、ハーブそのものが主に用いられていました。

古代から中世にかけての複数の文献を見ても、植物と天体の関係性に関する解釈には地域差や違いが見られます。これは、それぞれの生活環境や文化によって、植物の使われ方や解釈が変わってきたためでしょう。

占星術と植物療法は、単なるスピリチュアルなものではなく、自然のサイクルと向き合い、自分自身の心と体、そして植物と深くつながるためのツールです。古代の人々が残してくれたこの知恵を、現代の暮らしに役立ててみませんか?

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