占星術では、ホロスコープ(出生図)は「惑星」「サイン(星座)」「ハウス(室)」の3つで構成されています。
惑星が“どんなエネルギーを持つか”、サインが“そのエネルギーの質”を表すのに対し、ハウスは「どこでそのエネルギーが使われるか」を示します。
フィトアストロジーでは、このハウスを「心の12の部屋」として考え、それぞれの領域に調和をもたらすハーブや香りを重ねていきます。
ハウスとは?──惑星が働く“人生のステージ”
ハウス(House)とは、ホロスコープを12分割した「人生の領域」を指します。
1ハウスから12ハウスまであり、それぞれが人の成長・経験・意識の流れを象徴します。
たとえば、同じ金星を持っていても「1ハウス(金星=自己表現)」と「10ハウス(金星=社会での魅力発揮)」では現れ方が違います。
どの惑星がどのハウスにあるかで、“その人がどんな場面でその星のエネルギーを使うか”がわかるのです。
フィトアストロジー的に言えば、ハウスは「心と自然のエネルギーがどんな場所で調和するか」を示す地図のようなもの。
それぞれの部屋には対応するテーマとハーブの象徴があります。

1〜6ハウス:自分を育てる“内側の部屋”
| ハウス | テーマ | キーワード | フィトアストロジー的ハーブの象徴 |
|---|---|---|---|
| 1ハウス | 自己表現・はじまり | 自分らしさ・印象・生命力 | ローズマリー:エネルギーを呼び覚まし、内なる太陽を輝かせる |
| 2ハウス | 所有・価値観 | 安心・物質・豊かさ | ゼラニウム:五感を喜ばせ、心地よさを感じる力を育てる |
| 3ハウス | 言葉・思考・交流 | 学び・コミュニケーション | ペパーミント:思考をクリアにし、軽やかに伝えるサポート |
| 4ハウス | 家庭・ルーツ・心の基盤 | 居場所・内面の安定 | ラベンダー:安心とやすらぎをもたらす、心のホームの香り |
| 5ハウス | 創造・遊び・恋愛 | 楽しみ・自己表現・子ども | ジャスミン:情熱と創造性を呼び覚まし、自分の魅力を解放する |
| 6ハウス | 健康・仕事・習慣 | 整える・リズム・奉仕 | レモングラス:日常のリズムを整え、軽やかな集中をもたらす |
7〜12ハウス:世界と関わる“外側の部屋”
| ハウス | テーマ | キーワード | フィトアストロジー的ハーブの象徴 |
|---|---|---|---|
| 7ハウス | パートナーシップ・他者との関係 | 調和・協力・対人関係 | ローズ:愛とバランスを象徴する花。人と心をつなぐ |
| 8ハウス | 深い絆・共有・再生 | 変容・癒し・信頼 | ベチバー:地に足をつけ、深い部分からの安定をもたらす |
| 9ハウス | 探求・哲学・旅 | 理想・学び・精神性 | サンダルウッド:精神の静けさと高次の洞察を導く香り |
| 10ハウス | 社会・使命・天職 | 責任・評価・キャリア | ローズウッド:柔らかな強さと誠実な印象を与える |
| 11ハウス | 友情・未来・理想 | コミュニティ・夢・共感 | ベルガモット:前向きな希望と開放感をもたらす |
| 12ハウス | 無意識・癒し・スピリチュアル | 内省・祈り・魂 | フランキンセンス:心を浄化し、静寂と祈りの空気を作る |
ハウス・惑星・星座の関係を理解する
ハウスは、惑星がどこで輝くかを示す“舞台”です。
惑星=エネルギーの性質、星座=その表現スタイル、ハウス=エネルギーが使われる場面。
この3つが組み合わさることで、ひとりひとりの“星の地図”が形になります。
たとえば、金星(愛と調和)が4ハウス(家庭・心の基盤)にある場合、 「家族との絆」「自分にとって心地よい空間づくり」に金星的なセンスが発揮されやすい。
そんな人にはラベンダーやローズウッドなど、“安心と優しさ”を感じる香りが寄り添います。
ハウスはどこから数える?──1ハウスのはじまり
12ハウスは、単に星座を順番に並べたものではありません。
ホロスコープでは、東の地平線(ASC=アセンダント)を起点として1ハウスが始まります。
アセンダントとは、あなたが生まれた瞬間に東の地平線から昇っていた星座のこと。
つまり「生まれたときの東の空にあったサイン(星座)」が1ハウスをスタートさせる星座です。
そのため、ハウスの配置は人それぞれ異なります。
同じ太陽星座でも、生まれた時間や場所が違えば、太陽や金星が入るハウスも変わるのです。
🌞 例:太陽が獅子座の場合
太陽が獅子座にあるということは、「獅子座的な性質(自己表現・創造性・情熱)」を持っているという意味です。
しかし、それがどの場面で発揮されるかは、太陽が入っているハウスによって変わります。
- 太陽が1ハウスにある → 自己表現が強く、自分らしさを前面に出すタイプ
- 太陽が5ハウスにある → 獅子座らしい創造力・芸術的表現・恋愛で輝くタイプ
- 太陽が10ハウスにある → 社会的に注目される立場で輝く。リーダー的存在
このように、星座(サイン)は性質、ハウスは舞台。
太陽が獅子座=「どんなエネルギーで輝くか」、 それがどのハウスにあるか=「どこで輝くか」を示します。
フィトアストロジー的に言えば、
太陽のハウスは「あなたのエネルギーが最もよく芽吹く場所」。
そこに対応するハーブや香りを取り入れることで、“自然な自己表現”を助けてくれます。
🌿 例:太陽が獅子座 × 5ハウス の人なら?
太陽も5ハウスも「創造・表現・喜び」のテーマを持つため、 自己表現のエネルギーがとても強いタイプ。
香りではジャスミンやローズなど“華やかで創造的”なハーブが調和します。
一方、太陽が獅子座でも10ハウスにあれば、 その輝きは「社会的な役割」「使命感」として現れるでしょう。 この場合は、ローズウッドやサンダルウッドなど、 落ち着きと品格をもたらす香りがサポートしてくれます。
このように、ハウスを知ることで“星のエネルギーをどう生かすか”がより具体的になります。
まとめ ― 12のハウスは心の地図
12ハウスは、人生を象徴する12のステージ。
どの部屋でどの星が輝いているかによって、 私たちがどんな場面で自分らしさを発揮しやすいかが見えてきます。
フィトアストロジーでは、星を読み解くだけでなく、 そこに対応する植物や香りを通して、心と体のリズムを調えることを大切にしています。
🌿 ハウス=心の部屋。植物はその部屋に漂う香り。
星とハーブを通じて、自分という庭を少しずつ整えていきましょう。
⚖️ 注意書き(日本法準拠)
本記事は占星術および植物療法を文化的・象徴的に紹介するものであり、 医療行為・宗教的指針・科学的根拠を保証するものではありません。
ハーブや香りの利用は、体調に合わせて無理のない範囲で行ってください。


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