月の満ち欠けによって、気分や体調が変わる。そんな感覚を持ったことはありませんか? 新月の時期は無性に眠くなったり、満月には気持ちが高ぶったり。
それは偶然ではなく、月のリズムが私たちの生体リズムと共鳴しているからかもしれません。潮の満ち引きと同じく、人の体も約60%が水分でできています。月の引力は、体内の水分バランスや感情の波に影響を与える可能性があると考えられています。
そして、植物もまた月のサイクルに反応し、発芽・成長・開花のリズムを月光の影響下で変化させています。
この記事では、月のリズムとハーブの関係をフィトアストロジー(占星植物学)の観点から解説します。さらに、新月・上弦・満月・下弦の各月相ごとに、心と体を整えるためのハーブやアロマの使い方を紹介します。
月のリズムを理解することは、自然の流れの中で自分を整える古くて確かな方法のひとつです。「なぜ月が私たちを動かすのか」を知ることで、ハーブの力をより深く感じられるようになります。
H2-1:月と私たちの関係 ─ 満ち欠けが心身に与える影響
夜空に浮かぶ月は、私たちの心や体のリズムと深くつながっています。古代から人々は、月の満ち欠けが潮の流れや植物の生長に影響を与えることを観察してきました。現代科学でも、月の引力が地球上の水分の動きに関与していることが明らかになっています。
人間の体の約6割は水分で構成されており、その流れや循環もまた月のリズムと微妙に共鳴している可能性があります。
- 新月の時期は心が内向的になり、静かに過ごすのに適しています。
- 満月にはエネルギーが高まり、感情が高ぶりやすい傾向があります。
さらに女性の月経周期が約28日であることも、月のサイクル(29.5日)とほぼ一致しています。古代の人々はこれを「月の力と女性のリズムの共鳴」として尊びました。
このように、月は私たちの心・体・感情に影響を与える自然の時計。そのリズムを理解することが、フィトセラピー(植物療法)をより深く活かす鍵となります。
月のエネルギーと植物のリズム ─ フィトアストロジーの視点から
植物もまた、月の影響を受けています。満月の頃には樹液が上昇し、葉や花が水分を多く含み、新月には根へとエネルギーが戻る──このサイクルが植物の生命活動を支えていると考えられています。
フィトアストロジーでは、「月の光は植物のエネルギーを育む」と考えます。これは、植物の成長や水分代謝が月の引力や光の強弱に応じて変化するという観察に基づくものです。
古代の薬草学者たちは、新月には根を使う薬草を、満月には花を収穫するなど、月相ごとにハーブを使い分けていたと記録されています。つまり、月と植物は共に「水と光のリズム」で呼吸しているのです。そして人間もまた、そのリズムの中に生きています。
H2-3:月相ごとのハーブの使い方 ─ 新月・上弦・満月・下弦のセルフケア
月のリズムに合わせてハーブを選ぶと、心身のバランスが整いやすくなります。ここでは各月相のエネルギーと、対応するハーブの例を紹介します。
🌑新月│リセットと浄化をサポートするハーブ
新月は「始まり」と「リセット」の時期。心と体を穏やかに整えるために、老廃物の排出をサポートしたり、気持ちを浄化したりするハーブが向いています。
- おすすめハーブ:レモングラス、ダンデライオン、ユーカリ、ネトル
- セルフケア:
- レモングラスティーで気分をリフレッシュ
- ユーカリの蒸気吸入で深呼吸
- 新しい目標をノートに書く「新月のリチュアル」もおすすめ
🌓上弦の月│集中と成長をサポートするハーブ
上弦の月は「行動と集中」のフェーズ。心身のエネルギーが高まり、前向きな気持ちをサポートします。
- おすすめハーブ:ローズマリー、ペパーミント、フランキンセンス
- セルフケア:
- ローズマリーの香りで集中力アップの気分に
- ペパーミントティーで頭をクリアに
- 計画を実行に移すタイミング
🌕満月│癒しと感情の解放を促すハーブ
満月は「満ちる」「受け取る」時期。エネルギーがピークに達し、疲れや感情が表面に出やすくなります。心を落ち着かせ、リラックスを促すハーブがおすすめです。
- おすすめハーブ:ゼラニウム、ラベンダー、カモミール、ローズ
- セルフケア:
- ラベンダーバスで全身をリラックス
- ゼラニウム精油でアロマトリートメント
- 感情の整理にジャーナリングを
🌗下弦の月│整理と手放しを促すハーブ
下弦の月は「浄化」と「整頓」の時期。体が排出のモードに入り、不要なものを手放すのに最適です。
- おすすめハーブ:サイプレス、ジュニパー、セージ、ミルラ
- セルフケア:
- サイプレスの香りで深呼吸しながら瞑想
- ジュニパー入りハーブバスでリフレッシュ
- 掃除やデジタルデトックスで空間も整える
H2-4:月と香りの関係 ─ アロマで感じる月のリズム
香りは、月のリズムと最も共鳴しやすいツールのひとつです。嗅覚は感情を司る脳(大脳辺縁系)と直結しており、香りを通じて月のエネルギーを自然に取り入れることができます。
- 新月:ユーカリやフランキンセンス → 浄化と新しい始まりの気分に
- 満月:ゼラニウムやラベンダー → 安定と受容の気分に
- 下弦の月:サイプレスやセージ → 手放しと整理の気分に
夜のルーティンに、アロマディフューザーを使って月相の香りを焚くと、その夜のエネルギーを体で感じ取れるようになります。
H2-5:月と暮らすフィトセラピー ─ 日常に取り入れる月のセルフケア
月のリズムを意識することは、「自然のサイクルに戻る」ということ。新月から満月、そしてまた新月へ──その繰り返しは、私たちの呼吸や心の動きそのものと同じです。
🌿取り入れ方の例
- 月相カレンダーを眺めながらハーブティーを淹れる
- 月ごとにテーマハーブを決める(例:4月はラベンダー、5月はゼラニウム)
- 満月の夜に感謝の瞑想を行う
- 下弦の月には整理整頓やリフレッシュを意識
小さな行動の積み重ねが、月と植物、そして自分自身との調和を育んでくれます。
🌙まとめ
月のリズムを意識することは、自然の時間に自分を重ねるということ。新月でリセットし、上弦で行動し、満月で満ち、下弦で手放す──その流れは、生命の基本的なリズムです。
フィトセラピーは、この月のリズムをハーブという形で生活に取り戻す方法です。
レモングラスで気持ちをリセットし、ローズマリーで集中を高め、ラベンダーで緊張をほどき、サイプレスで静けさを取り戻す。
月と植物のサイクルを意識して暮らすだけで、心のざわめきや体の変化が自然に整っていきます。
次の新月には、お気に入りのハーブをひとつ選び、「新しい意図」を込めながらゆっくりお茶を淹れてみてください。それは小さな儀式であり、月と自身をつなぐ、最も穏やかな対話の時間です。


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