占星術からすると夜空に輝く惑星は、単なる天体ではありません。
古代から人々は、太陽や金星、火星などの惑星が持つエネルギーを「生命を導く力」として感じ取り、
それを植物の性質や癒しの力と結びつけてきました。
たとえば、太陽は生命力と明るさを象徴し、
そのエネルギーを映すハーブはローズマリーやセントジョンズワート。
一方、金星のハーブはローズやゼラニウムなど、美と調和をもたらす植物が対応します。
惑星とハーブの関係を理解すると、
「なぜこの香りに惹かれるのか」や「どうして今このハーブを飲みたいのか」に、
新しい意味が見えてきます。
この記事では、占星術とフィトセラピーを組み合わせた“惑星対応ハーブ”の世界を解説し、
あなたの支配惑星に合う植物や香りを見つけるヒントを紹介します。
宇宙と植物のリズムを感じながら暮らすことは、
心と体を整える最も自然なセルフケア。
あなたの内側の星が、ハーブを通して穏やかに輝き出します🌿
惑星と植物の関係とは ─ 医療占星術の基礎
フィトアストロジーの元となっている医療占星術は、古代の自然哲学から生まれました。
天体の動きが人間や植物に影響を与えるという考えは、
古代バビロニアやギリシャ時代の医師たちに受け継がれ、
やがて中世ヨーロッパでは医学と占星術が結びつく形で発展しました。
惑星はそれぞれ特有の波動を持ち、
地上の生命──とりわけ植物──に影響を与えると考えられています。
あるハーブは太陽のように温かく、別のハーブは月のように穏やか。
その特性を知ることが、植物療法の理解にもつながります。
17世紀の医師・占星術師ニコラス・カルペパーは、
植物を「惑星の性質で分類できる」と記し、
ハーブ療法を占星術と結びつけて体系化しました。
たとえば彼は、マリーゴールドを太陽の植物、
ミントを水星の植物、
ローズを金星の植物として扱いました。
惑星のエネルギーを、植物が“地上での翻訳者”として表しているのです。
惑星の性質とハーブの特徴 ─ エネルギーの対応関係
ここからは、7つの主要な惑星と対応するハーブの特徴を紹介します。
(外惑星は哲学的意味が強いため、古典的7惑星を中心に解説します。)
☀️太陽 生命力・自己表現を象徴するハーブ
太陽は「中心」や「活力」を象徴します。
太陽のハーブは、心を明るくし、体の循環を促す作用を持ちます。
対応ハーブ: ローズマリー、セントジョンズワート、ベイリーフ
→ 活力・代謝促進・自己肯定感のサポート
太陽の植物を取り入れると、落ち込んだときや疲れたときに
「自分らしさ」を取り戻す助けとなります。
🌙月 感情と水の流れを司るハーブ
月は「感受性・記憶・母性」を象徴します。
月のハーブは、心を静め、体内の水分やホルモンバランスを整えます。
対応ハーブ: カモミール、レモンバーム、ジャスミン、スカルキャップ
→ 安眠・緊張緩和・ホルモン調整
感情が揺れやすいとき、月のハーブをお茶やアロマで取り入れると、
内側の波が穏やかになります。
☿水星 思考とコミュニケーションを支配するハーブ
水星は「知性」「情報」「神経伝達」を司ります。
水星のハーブは、集中力や判断力をサポートします。
対応ハーブ: ペパーミント、フェンネル、ラベンダー、アニス
→ 頭をすっきりさせ、コミュニケーションを滑らかに
考えすぎて疲れたとき、ペパーミントティーはまさに“水星の調整薬”。
♀金星 調和と美を象徴するハーブ
金星は「愛・美・調和」の惑星。
金星のハーブは、香り高く、感情を穏やかにする性質を持ちます。
対応ハーブ: ローズ、ゼラニウム、マリーゴールド、リンデン
→ 美肌・心の安定・社交性アップ
人間関係で疲れたとき、金星のハーブは優しさを取り戻す手助けをします。
♂火星 行動力・勇気を司るハーブ
火星は「エネルギー・意志・血流」を象徴します。
火星のハーブは体を温め、活力を与えます。
対応ハーブ: ジンジャー、シナモン、タイム、ネトル
→ 血行促進・免疫強化・モチベーションアップ
火星の植物を使うと、停滞した気持ちに火を灯してくれます。
♃木星 拡大と成長をもたらすハーブ
木星は「繁栄・希望・拡張」を表します。
木星のハーブは、消化器系の調子を整え、気分を広げてくれます。
対応ハーブ: セージ、ダンデライオン、ジュニパー、アニス
→ 消化促進・代謝・再生サポート
新しい学びや成長を望むとき、木星のハーブが後押しします。
♄土星 安定と浄化を司るハーブ
土星は「制限・構造・持続」を象徴します。
土星のハーブは、体を引き締め、冷静さを取り戻す力があります。
対応ハーブ: サイプレス、ミルラ、ホーステール、ローズマリー(根気を支える)
→ デトックス・安定・集中
焦りを感じるとき、土星のハーブは“地に足をつける”助けになります。
惑星と人体・感情への影響
惑星のエネルギーは、私たちの身体の部位や感情の動きにも反映されます。
太陽は心臓、月は胃と生殖、火星は筋肉と血液を司る──
この対応は単なる象徴ではなく、
“どの惑星のバランスが崩れているか”を感じる指標にもなります。
・太陽が弱いと → 自己表現が苦手、元気が出ない
・金星が過剰だと → 他人に合わせすぎて疲れる
・火星が強すぎると → イライラや攻撃性が出る
惑星のハーブを意識して選ぶことで、
内側のリズムを調整する助けになります。
自分の支配惑星とハーブを知る
ホロスコープ(出生図)を見ると、
自分の「支配惑星」がわかります。
それは“自分の性質を映す惑星”であり、
対応するハーブはあなたに寄り添う植物です。
例:
- 太陽星座が獅子座 → 太陽のハーブ(ローズマリーなど)
- 金星が強い人 → 金星のハーブ(ローズ・ゼラニウム)
- 火星が支配的 → 火星のハーブ(ジンジャー・タイム)
自分の支配惑星のハーブを日常に取り入れると、
本来の自分らしさが自然と戻ってきます。
惑星のハーブと暮らす ─ 宇宙のリズムを感じる生活
惑星と植物の関係は、
難しい理論ではなく“感覚として生きる知恵”です。
・火曜日(火星の日)にスパイスティーを飲む
・金曜日(金星の日)にローズの香りを焚く
・日曜日(太陽の日)に朝日を浴びながらローズマリーティーを淹れる
こうした小さな習慣は、
宇宙のリズムを暮らしの中に取り戻す方法です。
惑星とハーブのエネルギーを感じながら過ごすことで、
私たちは自然と調和し、内側の星を輝かせることができます🌿
🌙まとめ
惑星とハーブの関係を知ることは、
「自分という小宇宙」を理解することでもあります。
太陽が心を照らし、月が感情を包み、金星が美を与える。
そのエネルギーは、すべて植物の中にも息づいています。
今日の自分に必要な惑星のハーブを選び、
香りや味わいの中に“宇宙の調和”を感じてみてください。
それが、占星術とフィトセラピーをつなぐ
最も自然でやさしい癒しのかたちです🌕


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